カジノ合法化2
カジノオペレーターとの
ビジネスは世界に波及する

また、カジノオペレーターの多くは、すでにグローバル企業であるため、日本国内だけが対象になるのではなく、世界中に広がる統合型リゾートに対して、日本企業が持つサービスや製品を大胆かつ迅速に展開させることが可能になるだろう。彼らは、次の有力な投資先として日本市場を見据えているため、日本企業にとっては商談を行う上で、コミュニケーションをとりやすい環境が整っていると言える。海外のカジノで実績をあげて、日本に逆輸入するということも視野にいれることができるだろう。

鏡リュウジ

細木数子



 


 


  
さて、具体的にどういった製品やサービスのニーズが高いのだろうか。カジノ業界には、大規模なコンベンション(製品やサービスの見本市)が存在しており、その場に出展している企業の製品やサービスを見れば、そのトレンドについておおまかに理解することができる。

カジノ業界の見本市から読み解く

本記事の1ページ目に写真を掲載した「Global Gaming EXPO(略称G2E)」というコンベンションは、米国ゲーミング協会(AGA)とリードエキジビジョンの共催で2001年にラスベガスでスタートし、2007年からはマカオにおいても「G2Eアジア」として開催されている。カジノオペレーターと取引をしている、またはこれから取引したいと考えている企業が自社の製品やサービスなどを紹介する場である。年々企業の出展が増えてきており、カジノ周辺ビジネスの裾野の広がりがみてとれる。

コンベンションの規模としては来場者、出展者合わせて5万人を超える規模で、世界的に有名な家電・ハイテク業界における「Consumer Electronics Show(略称CES)」や、通信・モバイル業界における「Mobile World Congress(略称MWC)」等と比較するとまだまだ小さいが、年々出展している企業や製品のバラエティは広がっており、日本企業の出展も増えている。特にG2Eで注目されているテーマは、日本企業にとって高い技術力を有する領域も多く、今後のビジネスチャンスは大きいと考える。以下にトレンドを整理してみた。

もともとはカジノ機器が中心のコンベンション(実線枠)だったが、徐々に対象範囲が広がってきている。カジノのビジネスと切っても切れない不正防止や監視、認証といった領域はもちろんのこと、環境やビッグデータ、ロボットなどの新たな領域に広がりを見せている点に注目したい(破線枠)。また、こうした領域においては、中国や韓国のベンチャー企業も積極的に出展しており、カジノ産業への注目の高さがうかがえる。

カジノオペレーターにとっての
課題から読み解く

カジノオペレーターにとっての重要な課題を2つ挙げる。

1点目は、統合型リゾートの売上を維持・拡大するために、顧客の囲い込みをより強化する必要があるという点である。カジノオペレーターにとって“VIP”客というのはもちろん重要な顧客ではあるが、個別に対応しているため、工夫の余地が少ないと言える。

また、航空会社が提供するマイレージプログラムなどの、一般的によく活用されている顧客プログラムではカバーしきれない潜在的な優良顧客層が存在している。大きな消費をしてもらっている割には、十分にフォローしきれているとはいえない“準VIP”客といわれる顧客層にどのように向き合うかが重要なテーマとなっている。

特に、統合型リゾートの多くは、非常に高い稼働率となっており、接客サービスのキャパシティやレベルが追いついていかず、収益機会を逃し、競合エリアやカジノとの競争に負ける可能性があるという危機感が強い。

そして、何より重要なのは交通アクセスである。最寄りの空港や駅からどのように顧客を誘導していけるのか、また近郊の観光エリアや商業施設との間でどのように集客・送客を行って相乗効果を高めていけるのか、導線データや嗜好データを用いたビッグデータやアナリティクス関連のソリューションを用いた取り組みが今後さらに増えるだろう。